1.ピンナップ工法の概要

 ピンナップ工法は、既存の石積壁を対象とした補強工法で、軽量・コンパクトかつ簡易な施工方法により
耐震性の向上を図ることができます。
 本工法は、石積壁の変形・崩壊メカニズムに基づいて考案されています。地震時における石積壁崩壊の
主要因は、裏グリ石の変位・沈下であると考えられます。
 ピンナップ工法は、間知石と裏グリ石 を一体化した固化体を、裏グリ石層内に複数個所造成することにより、
地震時の裏グリ石の変位・沈下を抑制します。
 なお、本工法は、公益財団法人鉄道総合技術研究所と株式会社大林組の特許工法となっています。
 また「ピンナップ/PIN-UP」は株式会社大林組の登録商標です。

― 特許・商標登録 ―

  • 特許04316939 石積壁の補強方法
  • 特許04316940 石積壁の補強方法
  • 特許04316941 石積壁の補強方法
  • 特許04463140 石積壁の耐震補強方法
  • 特許04530378 石積壁の耐震補強方法及びそれに用いる石積壁補強材
  • 特許05026829 石積壁の耐震補強材、耐震補強設備及び石積壁の耐震補強方法
  • 登録商標「ピンナップ/PIN-UP」
図1   図2
図-1 無対策時の石積壁の変状 図-2 耐震補強対策工の概略図(断面図)
   
図3   写真1
図-3 耐震補強対策工の概略図(正面図) 写真-1 固化体の形成状況

 


 2.ピンナップ工法の特徴

  • 施工機械が軽量でプラントがコンパクト。
  • 大規模な足場を必要としない。
  • 裏グリの部分的な固化で済むため経済的。
  • 裏グリの部分的な固化で済むため裏グリ石の排水性を保持できる。
  • 補強箇所が目立たず、景観維持に優れる。
写真2

写真-2 耐震補強後の景観

写真3

写真-3 単管作業足場で削孔



写真-4 注入用ポンプ

 


 3.ピンナップ工法の主な用途

ピンナップ工法は、自立性を有する地山の前面に施工された石積壁を対象としています。 (ただし、積石の形状や石積壁の構造、基礎構造などにより適用が制限される場合があります)
「石積壁の耐震補強工設計・施工マニュアル-ピンナップ工法施工マニュアル-平成20年6月 財団法人鉄道総合技術研究所」に準拠。

 


 4.ピンナップ工法の施工例

●鉄道での施工事例  n=1,113本

補強対策後


施工時


頭部処理

   
●施工実績

 

5.ピンナップ工法の標準施工フロー

注入ボルト打設の削孔   注入材配合
 
注入ボルトの打設   フロー試験
 
固化材注入・ボルト撤去
養生(24H)
 
補強材打設の削孔   注入材配合
※上に同じ
フロー試験
※上に同じ
 
補強材定着材の注入
補強材挿入・頭部処理
補強材打設   引き抜き試験 頭部処理

 

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